ニカジルメッキとアルシルメッキ
ポルシェの純正ピストンシリンダーには、ニカジルメッキとアルシルメッキがあります。
964カレラ2の3.6Lエンジン以降は、すべてニカジルメッキとなりましたが、
930時代の3.2lまでは、ニカジルとアルシルが交互に使われていました。
この使い分けには、特に基準はなく生産ラインによりまちまちです。
ニカジルメッキシリンダーとアルシルメッキシリンダーの違いは、強度や使われているメッキ技術の違いです。
アルシルよりもニカジルのほうがメッキ加工が大変なのと強度もニカジルのほうがあります。
写真は、左が3.6lのピストンシリンダー 右が 3Lの シリンダーです。
ピストンの形状やシリンダーの大きさの違いが分かると思います。
シリンダーの中を見ると色が違うのが分かります。
左がニカジルメッキの 3.6lシリンダー 右が アルシルの3L シリンダーです。
ニカジルとアルシルの調べ方は、ピストンに磁石をあてることで解ります。
ニカジルメッキのピストンは、アルミベースですが、アルシルメッキのピストンは、ピストンの外側に鉄を溶射しています。
何故かといいますと、シリンダーもアルミ、ピストンもアルミでは、摩擦で焼きついてしまうからです。
強力な磁石をつけるとわずかですが引っ付きます。
だからアルシルシリンダーのピストンに違う車のピストンを流用しようとしてもアルミのピストンだと焼きついてしまうので
注意が必要です。
ベンツのアルミシリンダーのエンジンもアルシルシリンダーを使っていますので他のピストンの流用が難しいです。
このあたりをきちんと理解していないとチューニングは、無理ということです。
3.2lのポルシェの場合生産工場、ライン、時期によりこの2種類のピストンが使われています。
マーレーピストンは、ニカジルシリンダーで カールシュミットピストンは、アルシルシリンダーです。
メーカー的には、どちらのピストンも使用強度的には、問題ないので採用していましたが、オーナーの心理からしますと
マーレーを使っていればあたり、、、 カールシュミットだとはずれ、、、だと思ってしまいます。
でも、これは、エンジンをO/Hするまで解らないので、、、、自分のエンジンがどちらのピストンを使っているのか知る人は、少ないと思います。
上の写真は、右から 3L 3.6l 3.8L のピストンシリンダーとピストンです。
3.8Lなどは、シリンダーに肉厚がペラペラです。
時代と共にこんなに大きくなっていっったボアがポルシェの歴史を語っています。
ちなみに 95パイ 100パイ 102パイ です。
写真の3.8Lのピストンは、 社外の JE製 です。
大昔からこんなすごい技術を持っていた、、、
だからポルシェエンジンは、 すばらしいです。
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